森の香りに癒される森林セラピー専用ロード
東京都の約1割という広さを持つ奥多摩町は、約94%もの面積を森林が占めています。
そのあふれんばかりのマイナスイオンを活かそうと、
日本で初めて森林セラピーを行うための道が作られました。
せっかくの大自然、キャンプだけではもったいない。
日々の仕事ですり減ってしまった心を癒しに、森林セラピーへと出かけてみてはいかがでしょう。
「森林セラピー」とは、森の中で過ごす「森林浴」をより深く、より効率的にストレス解消を行えるよう考えられた活動です。
ここでは、ちょっとした工夫が施されているポイントをもとに、この「香りの道 登計トレイル」を楽しむコツをお教えします。
濃密な森の空気に包まれて
全長1.3kmに及ぶ道には木材を加工した時に出る木屑が敷き詰められています。木屑からはとても良い香りが漂い、樹木の香りと相まって、より深いリラックス効果を得られるのが魅力です。
同時にクッション性も持たせているので、膝に優しいフカフカの歩き心地を楽しめるのも嬉しいポイント。
また、「会話」も大切なセラピーの要素ということで、ふたりが並んで歩けるよう道は広めの設計になっているなど。一見フツウの道ですが、実はしっかりと計算されているのです。
ほっと一息、空を見上げる時間を作る小さな工夫
森を進んでいくと、いたる所に椅子が配置されていることに気がつきます。これは、ちょっと歩みを止めて木立の間から見える青空を眺めたり、枝葉のこすれる音に耳を傾けたり、ゆっくりと森を感じる時間が取れるようにという心遣い。
特に左下写真の金網のような椅子は、背もたれ部分が斜めになっており自動的に目線が空へと向くようになっています。
ゴールへたどり着くことよりも、その過程を大切に考えるセラピーロードならではの特徴です。
◀︎写真上:道からせり出した休憩ゾーンで森と向き合う時間を満喫。
写真左下:角度のある椅子。子供たちには通用しないようです(笑)
写真右下:見上げたときの風景。木漏れ日があふれます。
森を深く楽しむためにはプログラムへの参加が必須。
登計トレイルを楽しむためには、「奥多摩森林セラピー」のHPで紹介されているセラピーツアーに参加しなければいけません。少しハードルが高いですが、人数制限されている分、森の静けさを堪能できます。
少し残念なのは「そば打ち」「陶芸体験」などがセットになっていたりすること。純粋に森林セラピーを満喫したい人にとっては、二の足を踏む要因になっているかもしれません。プログラム内容の洗練は今後に期待です。
ちなみに、プログラムで特に人気が高いのは「森林ヨガ」。募集を開始するとすぐに定員いっぱいになってしまうそうなので、興味のある方は早めのチェックがおすすめ。
◀︎写真はイメージ。
◯香りの道「登計トレイル」
アクセス:JR青梅線「奥多摩駅」より徒歩10分
HP:http://okutama-therapy.com/index.php(一般財団法人おくたま地域振興財団)
TEL:0428-83-8855
Written by 赤井恒平