この場所について

 この場所は山中湖南側、リゾート系区域である第2種特別地域に位置し、山中湖畔で唯一まとまった木立が残る富士演習林の北側にある湖畔広場です。


 富士演習林は植林されたカラマツの他に天然生の広葉樹が茂り、四季の変化が楽しめます。約40haに及ぶ敷地は東京大学により管理されており、その大半は研究のため立ち入ることはできません。


 この場所は山中湖村役場から横断歩道を渡ってすぐのところにあり、部分的に一般利用することができます。

    気づき

 訪れた時は地元らしい方が犬の散歩をしており、地域の人々も利用しているようです。驚いたことにここではゴミがひとつも見当たりませんでした。
 樹木やグランドカバーもきちんと手入れがなされておりました。とはいっても都会にあるような維持管理ではなく、林学、農学などの見地から自然的な植栽管理がされています。いわば里山のような人の手による管理が、山中湖の普遍的な自然景観を生み出しているのです。
 この場所は、関わるすべての人たちの配慮によって成り立ち、維持されており、そこにはこの場所に対する愛着と、守ろうとする意識の高さを感じることができました。

 もったいない点

 訪れた時がたまたまいい天気とはいえないからか、特に何かある訳でもないからか、人は殆どおらず、まさに聖域のような印象でした。村役場含め周辺は車道と樹林しかなく、通過動線の一部といった感じです。ここから少し歩くと情報創造館等がありますが、利用施設は点在し、周辺が「つながっていない」感が否めません。


 歩道にあるカフェやマーケットなどのにぎわいなど、徒歩または自転車で散策する楽しさを増やし、人が訪れやすい環境になれば、この場所を含め山中湖地域をもっと楽しめるようになるのではと思いました。


Written by 高橋佳祐