広い会場を回るのにはいくつかの交通手段があります。
自家用車、会場周遊バス、電車。
効率的に回るのであればやはり駐車場。
各会場には駐車場が隣接しています。
駅が大地の芸術祭の拠点としてターミナル化
今回のフィールドワークはJR飯山線土市駅からスタートしました。電車は2両編成の小さなローカル線。本数は1時間に1本という少なさ。
駅もこじんまりとしていますが、アートが併設され隣接している公民館の外部駐車場に仮設小屋テントで受付やお土産屋さんが展開しています。
おもてなし会場として位置づけられ、ここでパスポートを購入しましたが、横には地元の名産サルナシを使ったジャムやアイスクリーム等が販売されており、ユウガオを無料で配られたのには驚きました。
バスがメインの移動手段
遠方に散在する作品を見るため、公共の交通機関はバスになっています。この土市駅にもエリア周遊バスと方面ごとに異なるツアーバスの2種類のバスが来ていました。
駐車場問題
メインの移動手段として自家用車を使っている人は圧倒的に多く、各アートの拠点近くには大きな駐車場が併設されています。
キョロロの駐車場はアート作品としてデザインした痕跡を感じられますが、結局その後に白線が引かれて普通の駐車場としているようです。
絵本と木の実美術館は閉鎖した学校をリノベし、美術館として活用している。
そのため、校庭が駐車場として利用されているが、降雨後に訪れたために雨水排水が機能しておらず、ベチャベチャな状態となっていたのは残念。
光の館は山の上にあるので、駐車場も少なく大混雑していた。
しかし下にもアートが点在しており、大きな駐車場も用意されていたが使用率は低い状態であった。
山を登らなければならないことが、車で向かってしまう大きな理由になりますが、アートを見ながら散策するという点では逆に車両進入禁止ぐらいしても、「光の館」の人気で人が引き寄せられるのではないだろうか。
無駄に土木構造物。
山間に点在するアートを巡るため、池横にダム状のアスファルト道路が築造されていた。
この奥にもアートが点在しているのでルートとなっているが、コンクリート間知のあまりの仰々しさに違和感を強く抱きました。
デザインをもう少しなんとか出来なかったのだろうか。
星峠の棚田スポット展望台。
この地域で有名な棚田を見るための展望台がアートの一つとしてみることが出来ます。駐車場がほとんどないので、続けて車が来ると渋滞を引き起こしそうだが、人が入れる場所を限定していることから地面や山を荒らすこと無く鑑賞出来る場があるのはとても良い整備となっている。
移動の手段とアートの関係
駐車場から芝生を横切っていく途中にある子供達が裸足で安全に遊べるようにするための看板。直接的に働きかける警告は印象深いものがあります。
キナーレの裏駐車場には道路の舗装をキャンパスにアートペイントを施した道路はまさに絵画の上を通る感覚で非常に印象的でした。
アーティストや学生の移動手段に作られた自転車でこぐ軽トラック。鞍掛教授の脱皮する家の脇に放置されていた軽トラはよく見ると荷台に6人載れる自転車のサドルとシートがついていました。実際にペダルをこぐと自動車が走り出す仕組みだそうです。果たして実際に使えるのかどうか?
ポチョムキンを探し出せ
川沿いにあるポチョムキンは作品と駐車場が離れています。これらを探す感覚も大地の芸術祭の一つの楽しみです。
駐車場と作品の関係
田舎は基本的に車社会。一人一台の車が用を済ませるのに、直近まで車で近づかないと気が済まないという社会構造が出来上がっています。
小さな集落の中に点在する作品。それらのひとつひとつに駐車場を併設するのは現実的ではありません。一方効率的に回ろうとすると作品の近くまで行きたくなるのは当然です。このバランスをどうとっていくのか。この駐車場と作品の関係は一つの大きな課題として感じました。
ここにランドスケープとして構成、提案出来る余地があるのだと思います。